2014年12月現在の最先端のゲームPCのスペック事情として、Intelに話を絞れば、コードネーム"Haswell-E"のCPUを搭載するintel X99 Express チップセットが最もハイエンドになります。
(XEONはサーバー、ワークステーション向けですので割愛します)
その対応CPUはCore i7-5960X、Core i7-5930K、Core i7-5820Kとの三種となりソケットはLGA2011-v3になります。X79とも互換性はあるんですが、電源の安定供給のためにピン数が増えてるそうです。

今回、FF14のシリアルカードプレゼント対象のCPUの中に、なぜかそのハイエンドCPUまでもが入っていました。(一世代前X79対応CPUもですね)

新生FF14推奨パソコンの売れ筋を見てみるとそのほとんどがHaswell RefreshであるCore i7-4790を標準CPUとしたH97・Z97チップセットのBTOPCになるんですが、新生FF14推奨パソコンには上位X99チップセットを採用したモデルは調べた限りありませんでした。

理由は色々ありますが、まずは新生FF14をプレイするには6コア〜8コアになるマルチコアの恩恵がゲーム内ではあまり活かされないという事、そもそもCPUとマザーボードが高価なことと、このシステムを組む人は大抵オーバークロック前提であり、冷却機構にお金がかかるのと、ビデオカードも2枚なんて当たり前、3枚入れて4K解像度でグリグリ動かすなんて事を考えていると思われるため、際限なく予算が跳ね上がるので推奨しにくいところがあるんでしょうね。

そんなCPUをシリアルカードプレゼントの対象に入れてるということは、
スクエニはプレイ環境のバリエーションとして
高解像度でのプレイやDirexctX11版での設定で重い光源処理なんかをさせるために
上位CPUもあるといいよ、と暗に言ってるんでしょうか。
ですがDirectX11自体はシングルコアの負荷の方が相変わらず高いようなので
今は実クロックの高いCore i7-4790Kのブースト込4.5GHzが有利ですし、
X99でオーバークロック4GHzあたり常用を狙うのならいいのかもしれませんが、それに耐えうるマザーボードではあるとは言え色んな意味でハードルが高いです。

もちろんPS3組も少なくとも拡張パック3.Xの間はしっかりサポートする、とどこかで言っていたので
今はPC版だからといってアドバンテージは少ないはずですが、日記なども含めイベントでスクリーンショットを投稿するコンテストも多い新生FF14ですから、特にDirectX11版は大幅に見え方も変わって来るでしょうし、さらに高解像度だとちょっとした自慢ポイントになるでしょうね。
あとプレイと同時に実況配信などの並列処理は得意ですよね。まぁスペックばかり上げて肝心の腕が悪かったら恥ずかしいのはありますが(笑)

そんな管理人も、最近までX99構成にしようかと悩みに悩んでいましたが、結局Core i7-4790KのZ97システムにしました。理由は単純に予算の問題と、マルチコア自体、配信予定もなくそこまで要らないかなと思ってのことです。

ただ最後まで後ろ髪を引かれたのは、CPUのPCI Express 3.0のレーン数問題でした。
これはGPUをシングルカードで遊ぶ人にはあまり関係のない話で管理人も当面はシングルで遊ぶつもりなんですが、GTX970やGTX980が出て消費電力が大幅に減ったおかげもあり将来的にSLI(2枚挿し)くらい出来れば、と思っているのです。
ただ2枚挿しするならZ97チップセットでも可能ではあるんですが、そこへさらにグラフィックカードを追加したり、M.2接続の高速なSSDを足すには先ほど言ったレーン数の制限があって難しくなってしまいます。
そのレーン数ですがCore i7-4790や4790KなどのCPUは16レーンに対し、Haswell-Eの上位Core i7-5960Xと5930Kは40レーンあります。(5820Kは28レーン)
高速な帯域を処理する割当数が決定的に違います。

通常グラフィックカードはこのレーン数をシングルなら最高16使って高速な描画能力を発揮するわけで
Z97チップセットではグラフィックカードは2枚までOKでその場合8レーンに分割して動きます。
さらには、M.2スロットにSSDを挿して高速な読み書きを実現させるには最低2レーン必要で
要するにZ97チップセットだとSLIとM.2のSSDを同時に使うことは16レーンを越えてしまうのです。

40レーンあるX99 ExpressチップセットならSLI(16レーン×2台もしくは3台)+4レーン使う超高速SSDまでも余裕で組めるわけで、ここがハイエンドシステムとメインストリームであるZ97との格差なんですよね。

ただいくらレーンが多くても実クロックが低いHaswell-EのCPUはあまり魅力的に自分にはうつらず、そもそも予算的にも論外でした。ここは個人の予算と価値観の違いだとは思いますが…。
僕は今回Z97にしましたが、冬のボーナスでドーンと出せる方は拡張性を考えれば難しく考えず自由にパーツを組み合わせる事の出来るX99チップセットの方が長い目で見てもいいでしょうね。

Core i7-5960Xは12万とかしますので、まずはCore i7-4790Kよりちょい高めのCore i7-5820Kでスタートし、さらに高クロック版が安く手に入るタイミングで買い替えというのもありかもしれません。28レーンあればGPU2枚とM.2SSDの帯域は確保出来ますし。ちなみにPCI 3.0になって以前の2.0よりもかなり転送速度が上がったため、×8レーンでもビデオカードのベンチ値は×16レーンとそこまでの違いはないようです。

ややこしいことを色々書きましたが、X99チップセットでの構成は、あくまで性能を極限までつきつめたい人向けです。もしBTOモデルを買ってそのまま中は触らず、なのはちょっと勿体無いですね。

ここのブログで紹介しているBTOショップでもX99プラットフォームのPCが沢山リリースされていますが、やはりお値段もそれなりです。憧れも込めてその中でもいいなぁと思うものをピックアップしてみました。

その前に、どうせX99プラットフォームにするなら、SSD専用のスロットで現在M.2という規格がありますが、ASrock製マザーにはさらに高速なUltra M.2なる独自ソケットが付いており、PCI-3.0×4レーンを使いますが通常のSATA6接続のSSDの速度の倍の速度が出ます。対応SSDは現在ほぼ一択になってしまいますが、

SAMSUNG MZHPU512HCGL-00004
256GB、128GBと3種あり512GBが最もパフォーマンスが高く1100MB/s近く叩き出します。
OS8.1と組み合わせれば、設定次第で6秒足らずでOSが起動するそうです。

ただ今はかなり高価で、今後種類も増えて値段もこなれてくるといいのですがストレージに5万出すのはかなり勇気が要ります、個人的には。
ちなみにASrock Z97 Extreme6よりハイエンドにもついてますが、3way-SLIなどをしつつUltra M.2も、という事ならASrock製X99マザーExtreme4以上がおすすめです。
(一部Z97でもExtereme9などブリッジチップによってレーン数を増やす力技のマザーがあります)
マザーボードから選べるBTOパソコンは少ない中、サイコム製BTOPCはパーツは全てメーカー型番が明記されており、このX99 Extreme4が標準構成でしたので紹介してみました。

その中のSLIモデルです。シングルカードで水冷付きのものもあります。

G-Master SLI-X99

基本構成はCore i7-5820KにX99 Extreme4、DDR4メモリ8GB、HDD500GBにGTX760のSLIと、かなり絞ったものなので、せめてGPUは今どきならGTX970のSLIで行きたいところです。ただ残念ながらUltraM.2対応のSSDがオプションに含まれないので、ここは別で買って取り付ける形になります。X99で組みたいけど予算は最低限で、そこそこ組んでくれたものが欲しいなら、サイコムさんでまず買って後から手を加えるのが理想ですね。ケースが今ちょうどDefine R4からR5への過渡期なので、もう少し待てばR5も選択可能ということです。

SLIまで今は必要なければ、こちらもおすすめです。

Silent-Master Pro X99

つい先日まで秋葉原でのイベントにて防音室で静音性をアピールをしていたシリーズになります。
構成はCPUファンと背面ケースファンに静音と性能を同時に実現させた、自作好きにも人気のNoctua製を使い、電源とGPUにもセミファンレス型の物を使ってかなりの静かさを誇るモデルだそうで、税込み17万円台からのスタートとX99にしては手を出しやすいものになっています。
最近はPCでハイレゾ音源などを聴くシステムも充実してきたので、静音のニーズも高まっています。
もちろんここからGTX980などのカスタマイズも、あとからSLIまで組む事も可能です。
 
新生FF14としては、CPUはどれを選んでもキャンペーンでシリアルカードがついてきますし、OSも8.1Proを選べばさらに一枚、グラフィックカードをGTX970・GTX980どちらか選べばバンドルゲームが2種から選べるシリアルコードも付いており、ボーナスシーズンに合わせてか追費なくゲーム三昧なお正月休みが過ごせそうです。

自由に拡張しつつ、さらにオーバークロックをしながら性能をしっかり引き出せるシステムで組むならX99です。お高いですが、長く使えるシステムです。ご検討のひとつに加えてみられてはいかがでしょうか。

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