2015年はグラフィックカードの性能向上により、フルHDが主流だったゲーム向け液晶モニターがそれまでスタンダードだった60Hzのリフレッシュレートでは持て余すようになってきました。
そこで各社は高リフレッシュレート144Hzのモニターを出していますが、さらにハイエンドカードがリリースされることで、高解像度なWQHD(2560×1440)でも144Hzに対応されはじめました。

今回ドスパラさんのご厚意で、まさにその上記性能を備えた液晶モニター「BenQ XL2730Z」をお借りする事が出来ましたので、自分なりにレビューしたいと思います。メーカーサイトはこちら

 まずおおまかな特長としては、27インチ解像度2560✕1440ドット、TNパネルで垂直リフレッシュレートは最大144Hz、応答速度1msと、このサイズと解像度では最速のスペックになっています。さらにAMDのグラフィックカード使用時には激しいキャラクターの移動や視界の急激なパンなどに起こる描画の乱れや遅れをモニターとカードで同期させ抑える機能「AMD FreeSync」が機能してくれます。

さらにXL2730Zにはゲームプレイをより快適にするために、プレイ画面内の暗く視認しにくい箇所を自動で明度調整し、敵を素早く察知(Black eQualizer)できます。また彩度も20段階調整(Color Vibrance)出来るので、これらを駆使すればライバルたちとのアドバンテージとなるでしょう。もちろんフリッカーフリー、ブルーライトを低減する機能もついています。

それ以外にも、ゲームの種類、仕事や動画鑑賞など、用途によって色調整や機能のオンオフなど分けたい方のために、それぞれの設定を保存し、付属品S.Switch Arcによって手軽に3通りまで切り替え出来ます。

現時点でこのモニターの性能をフルに発揮出来るPCスペックは、ゲームによってはグラフィックカードを2〜3枚必要とするものですので、管理人のPCでは伝え切れない所はありますが、グラフィックの調整次第でその片鱗は確認出来るかと思います。ただし、FreeSyncも管理人はNVIDIAのGTX980カードなのでこれだけはご勘弁下さい(汗)
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入っていたものを並べてみました。
組立はとても簡単で足と胴体を接続してネジで固定し、あとは胴へ液晶パネルを差し込んで固定するだけです。付属のケーブルはDVIとDisplayPortで、どちらも144Hzで接続可能ですが、HDMIもひとつだけ2.0になっているので144Hzで繋がるそうです。ケーブルを自分で用意する必要はありますが、マルチモニターで使う場合など端子の取り合いをせずに住みますね。
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パネル底面にあるインターフェースは左からUSBハブ、D-sub、DispleyPort1.2、HDMI2.0、HDMI1.4、デュアルリンクDVI、S.Swich Arc 接続端子、 マイク端子です。
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都合上横向きにしていますが、パネル左側には伸縮するヘッドフォンフック、USBハブ✕2、ヘッドフォンジャック、マイク入力 ジャックです。
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画像調整や設定をホイール回転と押し込み、上半分のスイッチでコントロール、1〜3のプリセットをここに登録し、用途により切り替えられます。要するに有線リモコンですが、とても使いやすいです。もちろんパネル右下にボタンもついていますが、ホイールで操作するほうが直感的で便利ですね。

ちなみに登録出来る設定は、他のプロゲーマーが公表しているプロファイルをダウンロードしセットも可能です。また、自分の設定を登録し、大会などで同じモニターの場合、そこに自分と同じ設定を入れることも出来たりします。最近EIZOでもクラウドで出来る様になりました。
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周りがゴチャゴチャして申し訳ないですが、設置したらこんな感じです。右側がXL2730Zで左がEIZO FS-2434です。27インチですがわりとコンパクトな気がしますね。
TNパネルということで視野角が狭いというイメージがありますが、少し斜めから見る限りはそこまで極端な色の変化は見られません。唯一下から見上げるような姿勢だと上半分が見づらいかなと思いましたが、普通に机に座って見る分にはTNパネルだということを忘れる位、色合いはしっかりしており、TNでも高級なパネルが使われているのがわかります。

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クリックで原寸サイズになります。FF14に関しては、やはり27インチで2560✕1440ドットはUIを余裕持って配置できますのでいいですね。これでも120%で表示してますので、100%ならもっとすっきりすると思います。

ただ管理人のPCでは最高設定で144Hzは出ずぜいぜい60fpsどまりでした。そのため品質を標準まで落としてみると最高196Hzまで上がったのでこれで動かしてみると、やはり60Hzとは明らかな違いがわかりますね。表現が難しいのですが、それまで無機質だったキャラが、わずかにツヤが乗るというか、しっとりしたより現実味を感じさせるものになるのです。それにWQHDのドットピッチの細かさがさらに奥行き感を出しています。あくまで個人的な感想ですが、これはやはり体感してもらうしか方法がないと思います。これで最高設定の144Hzだとどんな世界なのか見てみたくなりますね。カーレースやFPSなどをやる場合はAMD製グラフィックカードならさらに安定した環境でスピード感たっぷりに楽しめるのだと思います。

BenQ XL2730Zの詳細はこちら

titan
FPSではどうなるのか、折角ですので他のゲームも試してみました。
去年発売され大人気のFPS「TITANFALL」です。大きな特長は生身の銃撃に加えタイタンというパワードスーツに乗り込んで豪快に暴れられる事でしょうか。PC版が144Hzに対応しているとの事で試してみました。

状況が刻々とかわるFPSは正直あまり得意ではありませんし、かなりのスペックを要求するゲームですがそれでも動きはなめらかで、FreeSyncなくとも特に描画が破綻するような事はありませんでした。
あとXL2730Zの特長でもあるBlack eQualizerの効果はてきめんで、EIZOのFS2434の同機能SmartInsight2とも比較してみましたが簡単な操作でバランスよく効果を得られるXL2730Zに分がある様に思えました。
ちなみに、下二つは画面をカメラで撮ったものです。 
tt1
標準画面

fs2434
FS2434 SmartInsight2適用
 
xl2730z
XL2730Z Black eQualizer上限

FF14ではここまでの調整は必要ないですが、あらゆるゲームを想定した造りと、ハイスペックな解像度、リフレッシュレートと、かなりのポテンシャルを持った一台だと思いました。何かのご参考になれば幸いです。

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